ここがポイント!
■古代日本に多大な影響をもたらした文化を追う■
このプランは、ソウルに3泊します。
====================================
支石墓:
紀元前1000年~紀元前100年頃に建造された、大きな石を組んで作られた
墓です。ヨーロッパでは、イギリスやアイルランド、イギリス領チャネル諸島の
ジャージー島、フランスのブルターニュ地方のカルナック周辺に見られますが、
日本でも福岡県の糸島半島の志登を中心に何か所か支石墓を見ることができます。
ブルトン語に由来しドルメンと呼ばれ、下記のふたつの様式に分けられています。
・北方式: 背の高い石柱の上に蓋石を載せた、テーブルのような様式の墓です。
・南方式: 背の低い土台の石の上に蓋石を載せた、碁盤のような様式の墓です。
朝鮮半島は世界的にみても、支石墓の数が多いことで知られています。世界中で
6万基あるといわれる支石墓のうち、約2万5千基ほどが朝鮮半島南部に点在し、
韓国は支石墓群集地として知られています。ハングルでは『ゴインドル』または
『コインドル』と呼ばれています。韓国に点在の2万5千基ほどの支石墓のうち、
『高敞、和順、江華の支石墓群』はユネスコの世界文化遺産に登録されています。
江華の支石墓群:
江華島(カンファド)は韓国の仁川広域市江華郡に属しています。江華島は韓国、
北朝鮮との国境や、インチョン(仁川)国際空港に近い島で、さまざまな時代の
史跡の宝庫として有名ですが、そのうち河岾面・内可面に支石墓群が見られます。
江華支石墓をはじめ、約120基が江華島に点在しています。今回は、江華島の
八か所の支石墓群の総めぐり。ソウルを基点とし、二回にわけて江華島を訪れて
一回はトレッキングで二か所を、もう一回は貸切車で六ヶ所を訪れる予定です。
標高436mの高麗山(コリョサン)の稜線沿いに点在する支石墓群は、下記の
通りです。八か所ある支石墓群にある支石墓の総数は、120基にものぼります。
2000年に「高敞、和順、江華の支石墓群」としてユネスコの世界文化遺産に
登録されました。
------------------------------------
江華古川里(コチョンリ)支石墓群(仁川市記念物第46号)
・・場所: 江華郡・内可面(ネガミョン)古川里山(コチョンリサン)96
・・交通: 江華市外バスターミナルより登山道の入口の積石寺(チョクソッサ)
まで車で約20分~30分。下車後、徒歩2時間
・・特徴: 高麗山の稜線に沿って海抜350メートルに位置する支石墓群です。
3つのグループがあり、合計で18基の支石墓を見ることができます。韓国の
支石墓分布の中で、最も高い位置にあるのが特徴です。支石墓の中には円形の
支石墓があります。これは、人為的に造られたものではなく、経年風化による
ものであると考えられています。支石墓の一基は完全に原型をとどめています。
古川里山支石墓群は、いずれも北方式で、韓国の支石墓のなかでも初期の形と
推定され、保存状態も比較的良好で、学術的保存価値が高いとされています。
尾根の上部にコインドルの石を砕石した跡がある石切り場が発見されました。
・・登山: つつじトレッキングで有名な高麗山ハイキングコースの途中にあります。
低い山と侮ることなかれ、結構、健脚向けです。春には名物のつつじが咲いて、
支石墓とつつじの両方が見られるので人気です。ゴインドル群は高麗山頂上の
西峰である落照峰の方にあります。
------------------------------------
江華三巨里(サムゴリ)支石墓群(仁川市記念物第45号)
・・場所: 江華郡・河岾面(ハジョンミョン)三巨里山(サムゴリサン)120一帯
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で20分~30分。
下車後、徒歩20~30分
・・特徴: 北方式。高麗山の西の稜線に沿って9基が一列に分布しています。
殆ど斜めに倒れかけていますが、地上に出ている部分を見ると、四面を板石で
囲って玄室を造った後、天井部分に蓋石を載せた様式の原型を維持しています。
蓋石の上に直径5cm、深さ1.5cmほどの穴が、いくつか掘られています。
これは、性穴(ソンヒョル)と言われる穴で、天文を記した跡です。北朝鮮の
学者によると、この穴は星座との関連性があるとか。
また、周辺には採石場跡とみられる場所があります。今後の研究によっては、
支石墓の築造過程が明らかになる有力な手がかりになると期待されています。
・・登山: 三巨里支石墓という道標のある駐車場から山道を登ります。
途中に道標があるので道に迷う心配はありません。最後に階段を上りきると、
5基を同時に見ることができます。残りの4基はさらに山を登ります。
------------------------------------
鰲上里(オサンリ)コインドル群(仁川市記念物第16号)
・・場所: 江華郡(カンファグン)内可面(ネガミョン)鰲上里(オサンリ)
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で約30分~40分
・・特徴: 高麗貯水池の北方、約1kmの地点に位置する鰲上里コインドル群は、
高麗山西側の落照峰(ナッチョボン)の端に、合計11基が確認されています。
殆どの支石墓は蓋石が落下し、支柱石も斜めに傾いています。2000年には
発掘調査が行われ、北方式の支石墓群であることが確認されました。その中で
最大のものは内可支石墓(ネガコインドル)と呼ばれ、蓋石は長さ3.7m、
幅3.35m、厚さ50cmで、仁川市記念物第16号に指定されています。
蓋石の上に見られる窪み、線は、天文を調べて記録した跡といわれています。
------------------------------------
江華歴史博物館:
ゴインドルのみならず、先史時代から近代までの江華島の歴史に関する展示が
みごたえがあります。
<江華島~遷都から元寇までの時代>
1232年(日本は寛喜4年~貞永元年。後堀河天皇~四条天皇の御代。鎌倉
幕府第四代将軍・藤原頼経と執権・北条泰時の治世)、元の猛攻に耐えかねた
高麗王朝は、首都・開城を放棄して、ここ江華島に遷都を余儀なくされました。
江華山城はその際に築城されました。1270年(文永7年。亀山天皇の御代。
鎌倉幕府第七代将軍・源維康=後の維康親王と執権・北条時宗の治世)に再び
開城に遷都となり江華島は歴史の表舞台から退きました。元の皇帝クビライに
臣従していた高麗は、元の日本遠征を強いられ、重税にあえいでいた時代です。
文永の役は、江華島から開城へ遷都された4年後、1274年のことでした。
------------------------------------
江華大山里(テサンリ)支石墓(仁川市記念物第31号)
・・場所: 江華郡・江華邑(カンファウッ)大山里1189
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で約5分~10分。
農道のような細い道を抜けた、民家の裏側に位置しています。
道標がありますが、その道標の横の小道を上がるとすぐ見えます。
・・特徴: 北方式。東西を向いており、蓋石の長さ3.88m、幅2.6mです。
材質は、江華島で採掘される黒雲母片麻岩です。支石墓からは青銅剣、石鏃、
無文土器などが出土したことから、青銅器時代の墓であると推定されています。
------------------------------------
橋山里(キョサンリ)コインドル群(仁川市記念物第48号)
・・場所: 江華郡(カンファグン)両寺面(ヤンサミョン)橋山里(キョサンリ)
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で約20分~30分。
下車後、徒歩約15分
・・特徴: 江華島にあるゴインドル群の中で一番北側に位置しています。
奉天山(標高291m)の尾根上、標高200m地点に位置し、全部で11基の
ゴインドルが、尾根に沿って点在しています。北方式で、地表に露出している
部分は、四面を板石で囲って玄室を造った後、天井部分に蓋石を載せた様式の
原型を維持しています。発見されたのが遅かったためか保存状態は良好です。
------------------------------------
富近里(プグンニ)チョムゴル支石墓群(仁川市記念物第32号)
・・場所: 江華郡(カンファグン)河岾面(ハチョンミョン)富近里(プグンニ)
・・交通: 江華市外バスターミナルから車で約15分~20分
・・特徴: 高麗山の北側から始まる尾根の端、海抜15m地点に位置しています。
蓋石が重いため、やや傾いています。富近里チョムゴル支石墓群は北方式です。
東西に位置し、東のものは長さ2.55m、厚さ0.4m、幅は計測不能です。
西側のものは長さ2.55m、幅1.55m、厚さ0.5mです。蓋石は長さ
4.28m、幅3.7m、厚さ0.65m。高さが1.85mとなっています。
------------------------------------
江華支石墓(史跡第137号)
・・場所: 江華郡・江華邑(カンファウッ)富近里(プグンリ)
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で約10分~15分。
隣接する富近里支石墓、江華歴史博物館、ゴインドル公園とあわせ整備され、
オープンミュージアムのようになっています。
・・特徴: 北方式。高さ2.6m、長さ7.1m、幅5.5mで、蓋石の重さは
約80tという立派な支石墓です。蓋石を支柱石に載せるのに500人以上の
成人男性の労働力が必要であるとされ、墓の被葬者は少なくとも2500人~
3000人の民を束ねる首長クラスであったのでしょう。トイレ、案内所あり
富近里支石墓(仁川市記念物第44号)
・・場所: 江華郡・江華邑(カンファウッ)富近里(プグンリ)
・・交通: 江華市外バスターミナルより車で約10分~15分。
隣接する江華支石墓、江華歴史博物館、ゴインドル公園とあわせ整備され、
オープンミュージアムのようになっています。
・・特徴: 残念ながらこの支石墓は支柱石の部分しか残されていません。すでに
破壊されてしまったと推定されています。
------------------------------------
料理もたのしみ!
 |
サムパップ |
 |
宮廷料理/両班料理 |
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
江華島:
江華島上陸作戦で有名な江華島は、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の国境に
近い島で、古くから朝鮮半島の海の玄関の一つとして栄えました。今回の旅では
ユネスコの世界文化遺産にも登録された支石墓(コインドル)を訪れ観光します。
支石墓は、大きな支柱石で天井石を支える北方式で、支柱石と天井石で、玄室を
作っています。支石墓は、福岡県の糸島半島の志登などでも見ることができます。
|